水銀に関する水俣条約第5回締約国会議(COP5)に向けて – 蛍光灯と決別しよう

水銀に関する水俣条約第5回締約国会議(COP5)における

蛍光灯廃止の賛同署名(団体単位)のお願い

 

呼びかけ団体 | Climate Action Network | Clean Lighting Coalition | Zero Mercury Working Group

水銀を使用する蛍光灯は有害で気候変動を悪化させる技術であり、世界中の地域社会や生態系を脅かしています。

多くの国々が水銀を添加した蛍光灯の国内販売を禁止していますが、規制の抜け穴により、製造業者は禁止されていない市場に蛍光灯を輸出し続けています。世界的に蛍光灯のリサイクル率は低く、人々の健康と地球環境が有毒な水銀によって汚染され続けています。

しかし、蛍光灯を使わなくてもLEDという代替手段があります。

LED照明は、多くの人が利用することができ、費用対効果の高い解決策です。

そして今、国際社会は、水銀を使わない照明の未来へと飛躍するチャンスがあります。

2023年4月、アフリカ地域は、ジュネーブで開催される、水銀に関する水俣条約 第5回締約国会議(以下COP5)において、残存するすべての蛍光灯を段階的に廃止するための修正案を提案しました。

この修正案は、水俣COP4で全会一致で決定された2025年までの電球形蛍光灯(CFL)の段階的廃止を補完するものです。COP5で、この提案が採択されれば、すべての蛍光灯の世界的な製造・取引は2026年までに事実上終了し、2050年までの累積で以下の環境負荷が回避されることになります。

  • 178トンの水銀汚染(照明と発電所の排出量)
  • 電気代1兆2,300億ドル (約183.5兆円)
  • 97ギガトンの二酸化炭素排出-日本の年間CO2排出量の約3倍に相当する

世界は今こそ、「#さよなら蛍光灯」と言う時です。

そこで、水俣条約締約国146カ国の代表がCOP5でアフリカ地域から出された修正案に賛成し、有毒な水銀を使用する照明=蛍光灯を市場から排除するように要請する署名を呼びかけます。蛍光灯の廃止に向けてぜひご協力ください。

請願書への署名(団体単位)はこちら

署名締切:2023年10月29日

この署名は、Climate Action Network、Clean Lighting Coalition、Zero Mercury Working Groupが共同で行っています(後援:NPO法人環境市民、グリーン・アクション)。

署名と共に、以下の書簡をCOP5議長、副議長並びに締約国の代表団に送ります。

<水俣条約 第5回締約国会議 代表団長宛 公開書簡>

COP5議長 クラウディア・デュミトル、COP5副議長、代表団団長、

私たちは、環境団体、化学団体、公衆衛生擁護団体、民間セクター、気候正義団体など、広範な機関や運動にまたがる世界各地の組織です。COP5が、条約の使命である「水銀を過去の歴史に(Make Mercury History)」を確実に達成し、有毒な水銀添加蛍光灯を段階的に廃止することを求めます。

費用対効果に優れ、エネルギー効率の高いLED照明技術を優先し、蛍光灯の製造、輸出、輸入を終了することは、気候変動と水銀汚染との闘いにおいて、簡単に達成することのできる目標です。クリーンな照明への移行は、すべての地域社会と生態系、特に気候変動と化学物質汚染の悪影響を受ける地域社会の健康を守るためには不可欠です。

私たちは、電球形蛍光灯を2025年に段階的に廃止するという水俣COP4参加者の決定を称賛します。今こそ、すべての国が水銀を使用した照明=蛍光灯の危険な影響を負うことのないよう、すべての蛍光灯を廃止する時です。COP5では、有毒な水銀を使用する蛍光灯の除外規定をすべて廃止するため、アフリカ地域が提案した附属書Aの修正案が討議される予定です。

私たちは、COP5に参加する全146カ国の代表に対し、この修正案に賛成し、提案されている2026年の段階的廃止、またはそれ以前の時期を採択するよう強く求めます。

水俣条約が直管型蛍光灯の2026年、ピン型電球形蛍光灯の2025年の段階的廃止を採択した場合、国際社会は累積(2026-2050年)で以下の環境負荷を回避できます。

  • 178トンの水銀汚染(照明と発電所の排出量)
  • 電気代1兆2,300億ドル(約183.5兆円)
  • 97ギガトンの二酸化炭素排出-日本の年間二酸化炭素排出量の約3倍に相当

段階的廃止の時期が遅れれば、水銀の削減、気候変動の緩和、健康全般に深刻な影響を及ぼします。2025年から1年遅れるごとに、地球を温暖化させるCO2排出量が300 Mt増加することになります。

2025年までに蛍光灯を全廃することの実現可能性と利益は明らかです。

水銀を含まず、超高効率で安全なLED照明は、すでに広く市場に出回っており、実際、すべての用途で蛍光灯に取って代わることができます。より多くの国が国内のLED製造能力を向上させ、LED市場をさらに牽引することは、経済的にも環境的にも大きな利益をもたらします。LEDへの移行を待つ必要はありません。私たちはもうすでにLEDに移行しているのです。

LEDへの移行を加速させるため、蛍光灯を国内で禁止する策をとる国も増えています。一方で多くの国は、政策が不十分な市場への蛍光灯の製造と輸出を許可し続けています。この倫理的に許しがたい行為は、人々を危険にさらし、その多くはすでに気候変動に対する無責任な対応によって不釣り合いな影響を受けています。

クリーンでエネルギー効率の高いLED照明に移行すれば、ますます疲弊する国家の送電網のエネルギー負担を軽減し、国籍に関係なく、人々が安全で費用対効果の高い照明を利用できるようにすることができます。

これらの点を念頭に置き、私たちは、あなたがCOP5で代表を務める146カ国の政府がCOP5照明修正案に賛成し、水銀を使用する蛍光灯を廃止するよう求めます。